乙種6類の資格は設置されている数が圧倒的に多い消火器を扱える資格のため、活躍の場は非常に多いと言えるでしょう。また資格を取得すれば、実務経験無しで消防設備点検資格者講習の受講資格が手に入ります。

消火器の技術上の規格(用語の意義)

消火器

水その他消火剤を圧力により放射して消火を行う器具で人が操作をするものをいう。

住宅用消火器

消火器のうち、住宅における使用に限り適した構造及び性能を有するものをいう。

交換式消火器

本体容器及びこれに付属するキャップ、バルブ、指示圧力計等を一体として交換できる消火器であって、収納容器に結合させることにより人が操作して消火を行うものをいう。

自動車用消火器

自動車に設置できる消火器の事で、振動試験(全振幅2mm、振動数毎分2,000回の前後、左右、上下の振動)が付加され、下記のものに限定されている。

  • 強化液消火器
  • 機械泡消火器
  • ハロゲン化物消火器
  • 二酸化炭素消火器
  • 粉末消火器

消火器用消火薬剤の規格(分類)

  • 著しい毒性、腐食性を有しない又は腐食性のあるガスを発生しないこと。
  • 水溶液(液状)は結晶の析出、分離、また浮遊物や沈殿物の発生、その他の異常を生じないこと。
  • 粉末状の薬剤は塊状化(かいじょうか)、変質その他の異常を生じないこと。

水消火器

  • 水(浸潤剤等入も含む)消火器

酸・アルカリ消火器 

  • 製造を中止して久しく、この製品は全く設置されていない

強化液消火器

  • 炭酸カリウムの濃厚な水溶液で、無色透明又は淡黄色(たんこうしょく)のアルカリ水溶液。

泡消火器

  • 科学泡(反応式)外筒(機械泡)

ハロゲン化物消火器

  • (ハロン2402、1211、1301でハロン規制により製造を中止した)

二酸化炭素消火器

粉末消火器

  • (ABC、Na、K、HU)

加圧方式の規格(分類)

  • 蓄圧式消火器
    消火器の本体容器内の圧縮された空気、窒素ガスなどの圧力又は消火器に充てんされた消火剤の圧力により消火剤を放出する。
  • 加圧式消火器
    加圧用ガス容器の作動又は手動ポンプの操作により生ずる圧力で消火剤を放出する。
  • 反応式消火器
    化学反応により生ずる圧力で消火剤を放出する。

運搬方式の規格(分類)

  • 手さげ式消火器
    手に下げた状態で使用する消火器
  • 据置式消火器
    床面上に据え置いた状態でノズル部分を持ち、ホースを延長して使用できる消火器で車輪を有するものは除く。
  • 背負式消火器
    背負い紐等によって背負って使用する消火器。
  • 車載式消火器
    運搬のための車輪を有する消火器。

火災の種類(分類)

  • A火災(普通火災)
  • B火災(油火災)
  • C火災(電気火災)

消火器の能力単位

消火器の消火能力を数値で表したもので、模型による消火試験で測定、格付けしたもの。

  • 例として
    A-1は普通火災の1単位  Bー1は油火災の1単位  Cは電気火災ですが電気火災に単位は付きません。単位の数値が大きくなるほど消火能力が高くなり、例えば3単位では1単位の3倍の消化能力がある事になります。

大型消火器の能力単位と消化剤量

以下の能力単位、充てん薬剤量ともに満足しなければならない。

能力単位
 A火災では10以上
 B火災では20以上

充てん薬剤量
 水または化学泡消火器では80L以上
 強化液消火器では60L以上
機械泡消火器では20L以上
 ハロゲン化物消火器では30Kg以上
二酸化炭素消火器では 50Kg以上
 粉末消火器では20Kg以上

消火器の操作方法

動作数

消火器はその保持装置から取り外す動作、背負う動作、安全栓を外す動作及びホースを外す動作を除き、

  • 手さげ式消火器(化学泡消火器は除く)1動作
  • 化学泡消火器 据置式及び背負式の消火器は2動作以内
  • 車載式消火器 3動作以内

で、容易で確実に放射を開始すること。

操作方法

据置式、背負式、車載式の消火器を除きレバーを握る方式が原則である。

消火器の区分 能力・薬剤量の分類)操作方法
レバー
を握る
押した金具
を叩く
ひっくり
返す
フタを開けて
ひっくり返す
水消火器(手動ポンプ式は除く)
酸・アルカリ消火器製造を中止して久しく、この製品は全く設置されていない
強化液消火器 A火災またはB火災に対する能力単位の数値が1を超えるもの
その他のもの
泡消火器では
ハロゲン化物消火器・二酸化炭素消火器B火災に対する能力単位の数値が1を超えるもの
B火災に対する能力単位の数値が1のもの
粉末消火器消火薬剤量が1kgを超えるもの
その他のもの