火事の時に来る消防士さんでは有りません。

消防設備点検資格者とは

消防法では消防用設備等又は特殊消防用設備等の設置義務がある防火対象物の関係者に対し、その設置した消防用設備等又は特殊消防用設備等を定期的に点検し、その結果を消防機関へ報告する事を義務付けています。

消防設備点検資格者(しょうぼうせつびてんけんしかくしゃ)は、消防法施行規則(昭和36年自治省令第6号)に定めのある、消防用設備等の点検を行うことができる資格です。

消防庁長官登録講習機関の財団法人日本消防設備安全センターが行う資格講習を受講後、修了考査に合格する事で取得できます。

また、消防用設備等は、技術的にも法制的にも逐次変化し、改正されるので、これらの変化や改正に対応した最新の知識を得るために消防設備点検資格者には5年ごとに再講習を受講することが義務づけられています。

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防火対象物

以下の対象物は消防設備士、又は消防設備点検資格者が点検を行わなければならないと定められています。

  • 延べ面積1,000m²以上の特定防火対象物、デパート、ホテル、病院、飲食店、地下街など。
  • 延べ面積1,000m²以上の非特定防火対象物で消防長又は消防署長が指定したもの。工場、事務所、倉庫、共同住宅、学校など。
  • 屋内階段(避難経路)が1つの特定防火対象物

点検の期間

  • 機器点検

    6か月に1回以上
  • 特殊

    特殊消防用設備等(設置等設置維持計画に定める点検の期間ごと)
  • 総合点検

    1年に1回以上

罰則

  • 点検結果の報告をしない者、又は虚偽の報告をした者は、30万円以下の罰金叉は拘留の刑に処されると共に、その法人に対して罰金刑が科されます。

第 1 種

消防用設備等、主に機械系統等の設備点検

第1類
屋内消火栓設備、スプリンクラー設備、水噴霧消火設備、屋外消火栓設備、動力消防ポンプ設備、消防用水、連結散水設備、連結送水管(共同住宅用連結送水管)、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備、共同住宅用スプリンクラー設備

第2類
泡消火設備、動力消防ポンプ設備、消防用水、連結散水設備、連結送水管(共同住宅用連結送水管)、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備

第3類
不活性ガス消火設備、ハロゲン化物消火設備、粉末消火設備、パッケージ型消火設備、パッケージ型自動消火設備

第6類
消火器、簡易消火用具

第 2 種

消防用設備等、主に電気系統等の点検

第4類
自動火災報知設備、ガス漏れ火災警報設備、消防機関へ通報する火災報知設備、非常警報器具、非常警報設備、誘導灯及び誘導標識※、排煙設備、非常コンセント設備(共同住宅用非常コンセント設備)、無線通信補助設備、共同住宅用自動火災報知設備、住戸用自動火災報知設備及び共同住宅用非常警報設備、特定小規模施設用自動火災報知設備、加圧防排煙設備、複合型居住施設用自動火災報知設備

第5類
避難器具

第7類
漏電火災警報器、非常警報器具、非常警報設備、誘導灯及び誘導標識※、排煙設備、非常コンセント設備(共同住宅用非常コンセント設備)、無線通信補助設備、共同住宅用非常警報設備、加圧防排煙設備

※第4類消防設備士(甲種又は乙種)免状又は第7類消防設備士(乙種)免状を持っているもので、電気工事士又は電気主任技術者の免状を併せ持っている者に限る。

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消防設備点検資格者講習

講習は、特種消防設備点検資格者講習、第1種と第2種消防設備点検資格者講習に分けて、それぞれ3日間実施されます。講習終了後、2時間の修了考査が行われ、修了考査合格者には「消防設備点検資格者免状」が交付されます。

消防設備点検資格者の合格率は講習終了後の修了考査と言う事もあり、合格率は高く平均で90パーセント以上です。また、一度落ちても一回に限り再考査可能です。

この消防設備点検資格者が、あなたの住まいのマンション(集合住宅)等や企業に点検に来ている人達です。

受講資格

  • 第1種又は第2種電気工事士
  • 1級又は2級の管工事施工管理技士
  • 水道布設工事監督者の資格を有する者
  • 建築設備検査資格者、特殊建築物等調査資格者又は昇降機検査資格者
  • 1級又は2級の建築士
  • 技術士の第2次試験に合格した者(機械部門、電気・電子部門、化学部門、水道部門又は衛生工学部門に係るものに限る。)
  • 第1種、第2種又は第3種の電気主任技術者
  • 1級、2級又は3級の海技士(機関)
  • 建築基準適合判定資格者検定に合格した者
  • 消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について5年以上の実務の経験を有する者
  • 消防行政に係る事務のうち消防用設備等に係る事務に関し1年以上の実務経験を有する者
  • 建築行政に係る事務のうち建築物の構造及び建築設備に係る事務に関し2年以上の実務経験を有する者
  • 学校教育法による大学若しくは高等専門学校、旧大学令による大学又は旧専門学校令による専門学校において機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科を修めて卒業した後、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について1年以上の実務の経験を有する者
  • 学校教育法による高等学校若しくは中等教育学校又は旧中等学校令による中等学校において、機械、電気、工業化学、土木又は建築に関する学科を修めて卒業した後、消防用設備等又は特殊消防用設備等の工事又は整備について2年以上の実務の経験を有する者

消防設備点検資格者への早道は

消防設備士の資格同様に、何もない普通の方は消防設備関係の職場に5年以上いなければ受験資格が有りません。ですが、消防設備点検資格者の受講資格甲種又は乙種の消防設備士となっています。

消防設備士の項でも解説していますが乙種の消防設備士受験資格に指定は無く、誰でも受験出来ます。

と言う事は、消防設備点検資格者の資格取得には、乙種の消防設備士の資格を取得すれば経験が無い普通の方でも消防設備点検資格者の受講資格があると言う事になります。

専門の学校や単位も修得していない普通の方、乙種の消防設備士の資格取得で消防設備点検資格者になれます。消防設備点検資格者講習を受ければ合格率は平均90パーセント以上です。落ちても一回に限り再考査可能です。乙種の消防設備士の資格さえ取得すれば消防設備点検資格者は目前です。

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乙種の何を・・・?

当然ですが、これから消防設備士を目指す方には乙種の何を・・・?と思います。電気系だと4類で、また力学・機械系だと1類と言う選択肢がありますが、普通の人にそんな得意分野があるとは思えません。一般的には乙6類(消火器)が取り組みやすいと言えます。

乙種の試験 試験時間は 1 時間 45 分

筆記試験

(筆記試験は4肢択一です。)

  • 消防関係法令:10問
  • 基礎的知識:5問
  • 消防用設備等の構造・機能・整備:15問

実技試験

(実技試験とはいえ実際に触るわけでは有りません。記述式です。)

  • 鑑別等:5問

法令・知識だとか構造・機能・整備と、初めてだとちょっと引きそうですが、参考書と問題集を試験前までに一度でも熟読していれば合格するレベルの試験で、電卓使用禁止のため参考書や問題集にあるような複雑な計算問題はまず出ません。

仮に出た場合はその問題だけパスすれば良いだけです。合格ラインは低く設定してあります。

私が乙6類を取得した時の参考書はこれです。

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